強迫性障害、龍の介さんの最新動画とその解釈。

龍の介さんの最新動画では、

「何度、確認しても脳に届かない」

「何度も確認するうち、わけがわからなくなる」

といった症状に触れています。

 

「脳に届かない」というのは、

何度、確認しても安心できない状態のことで、

完璧ではなく安心を求めている状態とも言え

ます。安心が得られないが故に、何度も確認

し、何度も確認するが故に、ゲシュタルト崩壊

を起こし、目の前のシンプルな視覚情報でさえも、

正常に認識できなくなります。

 

つまり確認を繰り返せば繰り返すほど、状況は

悪化します。なので、ひとまず確認を中断し

時間を置くことで、記憶にある視覚情報と、

一応確認したという事実で、確認欲求や強迫

観念が治まる場合があります。タチが悪いのは、

しばらく時間を置いてもさっぱり治まらない場合

があることです。

 

確認を中断する時点では、しばらくすれば治まる

ものなのか、そうでないのか判断できません。

そこは理屈で判断するわけですが、間違うことも

多く、苦しい思いをすることになります。

 

先日、実家で洗濯していたところ、物干し竿を

不用意に動かしました。ちょうど隣家と接する

所にあるので、”もしや隣家の人に当たったの

ではないか?”という強迫観念が起こり、ひとまず

隣家との境界、隣家もやや覗き見て、誰か倒れて

いないか確認しました。もちろん誰もいないわけ

ですが、まったく安心できません。とはいえ、

しばらくすれば治まると判断し確認を中断しました。

 

理屈で判断したわけですが、その後、1週間経っても

強迫観念が治まらず、苦しい思いをしました。

実家に行くと、物干し竿を動かした自分の動きを

再現し、隣家の住人に物干し竿が当たる可能性を

検討しました。当たる可能性が極めて低いことを

検討せずにはいられませんでした。

 

最終的には強迫観念は治まるわけで、それが行動

療法でもあるわけですが、その1週間は極めて

苦しいものになります。

 

おそらくこのケースが簡単に治まらなかったのは、

その隣家の住人と全く交流がなく、”物干し竿が

当たっていたら、面倒なことになる”という思いが

強かったからだと思います。もし常々、交流のある

相手であれば、”何かあれば言ってくるだろう”という

読みで、サラッと流せたかもしれません。

根本的には人への恐怖心に起因してるのでは?

と感じたエピソードでもありました。

 

このケースがそうであるように、時間が経っても

さっぱり強迫観念が治まらないのがあまりに苦しい

ので、強迫観念が起こった際は、執拗に確認を繰り

返し、その場を離れられなくなりがちです。

 

治まりやすい強迫観念と、治まりにくい強迫観念は

個人差があると思いますが、たとえば玄関の鍵の場合、

ルーティーンな確認以上はしようがないので、かなり

不安があっても、時間を置けば治まりやすいように

思います。初めてのケースや、不確定要素が多いケース

は確認のしようがいくらでもあるので、”もっとしっかり

確認しておけばよかった”といった思いも加わり、治まり

にくいように思っています。

 

ゲシュタルト崩壊については、正確に把握している自信

はありませんが、正常な人でも、確認を繰り返せば簡単に

起こります。簡単な漢字の記憶が定かでないときに”あれ?

こうだっけ?どうだっけ?”と繰り返すうち、たとえ正解

を書いても、どうにも自信が持てなくなる現象だと解釈

しています。

 

正常な人でも最初の1~2回で確認を終えないと、混乱

しがちです。何度も確認することで、ゲシュタルト崩壊

を起こし、不安や強迫観念を助長することになります。

 

直接的な改善方法ではありませんが、少なくとも条件反射

的な要素を抑える方法として、龍の介さんが「1秒回復法」

を提言しています。

 

詳しくは龍の介さんの動画にありますが、確認を一回で終え

る、もしくは確認を一回すれば安心する、ことを習慣化する

方法です。

 

これを習慣化すれば、少なくとも、何度も確認することで助長

する不安や強迫観念を生じにくくすると思います。

 

強迫性障害の患者は、ゲシュタルト崩壊が健常者に比べ早く

起きる、といった話は聞いたことがありませんが、もしそう

なら、原因がわかっても嬉しくない話です・・