父からの電話。

父はもともと、やや常識に欠け、

偏執的なところがありました。

現在、昼夜問わずかかってくる電話は、

概ね認知症によるものですが、

もともとの性格も影響していると思います。

 

父は私の神経症に理解はなく、また

私が結婚していないのは、常に批判の的でした。

神経症が悪化し、外を歩くのに苦労していた時期でも、

父の批判が収まることはありませんでした。

 

夜、仕事が終わると、父から電話があり、

ひととおりの批判と、最後は罵声

(「結婚できないほど頭がおかしいなら死んでくれ」

「病気自慢のできそこない!」等)

で、電話が終わるというのが、

ルーティーンであった時期もあります。

 

当時、母の認知症は進んでおり、

父のストレスも大きかったと思います。

ストレスが、私への批判を助長していた

ところもあるかと思っています。

 

夜は父からの電話に怯える生活というのが、

結局、ここ10年ほど変わらず続いている

ことになります。

 

電話の内容が変わり始めたのは、一昨年からで、

同時に父の認知症が進み始めたのも

その頃からです。

私からすれば、父の最後の脳のエネルギーを

私の結婚問題に使ってしまったようで、

もったいないという思いが非常に強いです。

もっと普通の話をしたかったですし、

父と協力し、認知症の母を介護する、

といったことも、結局、さっぱりできないまま、

父も認知症に至ってしまった感じがします。

 

一昨年の父の変化のきっかけは、

比較的はっきりしています。

私が大反対するにもかかわらず、

父は、かつての自分の部下に、私との結婚を

勧めておりました。

その電話のかけかたが、偏執的で、

先方にとってかなり迷惑であることは

明白でした。

まず本人が電話に出なくなり、

次に本人の母親が対応するようになり、

最終的には留守番電話の対応のみ

となりました。

それでも尚、電話をかけるので、

結局、私が第三者を介し、本人に

「電話で父に、結婚の話をはっきり断るよう」依頼。

幸い、本人が承諾、本人の口から

その旨告げてもらうことができ、

父もさすがに納得しました。

ただ、この件をきっかけに、認知症

進み始めた感じはします。

 

今でも、私が実家にいると、結婚の話は必ず出ます。

まず母の「嫁はいないの?」から始まり、

父がそれに便乗「年齢的にもう限界だ」など。

ただ、以前のような手の付けられない批判で

ないことが救いです。