強迫症のカウンセリング、今回のトピックス。

疲労していると、行動療法がうまくいかない理屈】

 脳の使い方として、これまで強迫観念に従って強迫行為

をしてきたところに、行動療法という別の対処をするのは、

多くのエネルギーを必要とするようです。脳が疲れていると、

多くのエネルギーを必要とする対処を選択しなくなる、という

理屈は新鮮に感じます。脳が無意識に選択するものなので、

本人はつい強迫行為をしてしまうように感じ、それを調子悪い

と認識してしまうのかもしれません。単純に「疲れていたら、

調子悪い」というのもわかりますが、エネルギー消費を避けよう

としている、という理屈は納得しやすいように思います。

 

【強迫行為に至る2パターン】

①その場で強迫行為をしたい欲求が生まれるパターン。そのまま

我慢するか、強迫行為をしてしまうかの二択が生じます。

②その場では気にならないパターン。「でも後で気になりそうだから」

という思考の介入後、我慢するか、強迫行為をするかの二択が生じます。

①は一般的な強迫観念、②は「後で気になりそうだ」が強迫観念といえ

ます。「後で気になりそうだ」も強迫観念というのは、新鮮に感じます。

また強迫観念であるなら行動療法で対処すれば良いことになります。

ちなみに昨今、強迫性障害強迫症と言われ始めたのは、それが障害

ではなく癖であるから、といった解説を聞いたことがあります。ただ癖

になったりルール化するまでは、原発性の症状であるわけだから、癖と

言い切るのは的を得ていない感じもします。

 

【強迫行為をしたら行動療法の効果はゼロになるか?】

早朝に散歩をし、気になる部分を残したまま帰宅。お昼頃に、

散歩コースを引き返して見に行った場合、行動療法の効果は

完全に無くなるか?といえば、無くならないと言えるようです。

しかし、カウンセラーさんも明言を避けたように、効果が半分

はあるのか、1/3はあるのか、といったところはわからないよう

です。行動療法を単純に対不安訓練と捉えれば、蓄積的効果

なので、1/3であろうが効果があればプラス、なければマイナス

です。しかしやはり人間の心理なので、そう単純には割り切れ

ないようです。

 

【行動療法へのこだわり】

行動療法は、様々な取り組みによって、日々過ごしやすくなる

のが目標であって、行動療法がうまくいくことが目標ではあり

ません。行動療法にこだわり過ぎるのもマイナスとなるようです。

ただ、凝り性の人がいたとして、行動療法に凝り始めたら、強迫症

の改善が早いとは思います。

 

・今回は脳の疲労が原因でうまくいってない・・というカウンセラー

さんからのフォローが心地よかったですが、本当のところはわからない

ので、何とも言えない話です。ただ、「強迫観念を持ったままでいると

疲れるから、脳がそれを避けている」という解釈は、説得力がありました。

つまり万全の状態で行動療法に臨めば、「疲れる」という要素は生じ

にくいので、行動療法もスムーズに進むということで、理路整然として

います。行動療法がうまくいくか否かは、何が原因か常々わからないので、

少しでも要素を認識することで対処しやすくなるかもしれません・・