強迫症のカウンセリング、解釈と考察。

{日中の過ごし方と将来の過ごし方}

日中の過ごし方、また将来の望ましい過ごし方などを考える

にあたり、私の話を元にカウンセラーさんが「心身の健康を

ベースとして優先し、それを維持できる中での働き方、過ご

し方を目指す」とうまく表現してくれました。具体的には

なかなか難しいですが、どのような過ごし方が良いかは今後

探っていきたいと思います。

 

{不安を下げようとしたら、行動療法の妨げになります}

カウンセラーさんが繰り返すのは、理屈、その他で不安を

下げようとしないこと。なんらかの方法で不安を下げる、

もしくは不安を下げようとするのは行動療法の妨げになり

ます。なぜなら、人によっては強迫症を“対不安能力が著名

に低下する病気”と断じる人もいるくらいで、そうなると

行動療法は不安を我慢して耐性を付けないと意味がなくなり

ます。そういう意味で抗不安薬も妨げといえますが、あまり

に強い不安の場合、抗不安薬の手助けを使うこともあります。

ただ、そもそも抗不安薬は効かないと思うので、もし効くと

思う人は飲んでもかまわないと思いますし、飲んで不安が軽減

した状態で、どんどん行動療法に臨んでほしいと思います。

 

{強迫観念に対し、理屈をどのように扱うか}

理屈を頭の中で繰り返せば、暗示効果で頭に理屈が刷り込まれ、

理屈に反した強迫観念が改善するか否か・・はわかりませんが、

少なくとも理屈を頭の中で繰り返すのは、お勧めできないとの

ことでした。その理論的根拠は今一つわかりませんが、不安に

取り込まれそうになったとき、理屈を持ち出し、そこから抜け

出す、という体験を繰り返すことによって納得を深め、新たな

習慣にしていくほうが良いようです。よって理屈は頭の中で繰り

返すのではなく、現実に気付いて我に返るためのツールとして

心に留めておくのがよいように思います。

 

{混乱しがちな点}

①理屈で不安を下げようとしないこと。

②不安に取り込まれそうになったとき、理屈でもって抜け出す。

③あまりに不安が強い時は、理屈でややハードルを下げるのはあり。

これら三つは常々混乱しがちです。

②はあくまで不安に取り込まれそうになったときに理屈を持ち出す

のですが、ざっくり言えば、不安を下げる行為でしょう。それは③

と同じで、「不安に取り込まれそうになる」のと「不安が強すぎる

とき」とは、かなり近しいと思います。あくまで①はむやみにしない

ようにする、という意味であって、臨機応変に不安を下げるのはやむ

を得ないと思います。ただ、そもそも不安を下げることはほとんど

できないので、どんどん理屈も使えばいいと思います。これは抗不安

薬と同じで、不安を下げるというのは、もっと言えば感情をコントロール

するのは、原則、困難だと思います。確か森田療法では、そもそも感情は

コントロールできないものと捉えていたと思います。

 

{”不安は強いけど確認したんだから大丈夫”の扱い}

「見た(確認した)んだから大丈夫」という考えは「見なかった

ものは大丈夫じゃない」という考えを脳に刷り込むる可能性がある

ので、必要な時にしか使わないように注意したほうが良いようです。

そもそも「見たんだから大丈夫」というのは「いくら見ても“問題が

ない”と認識できないくらい調子の悪いとき」等に使う理屈という

よりツールであり、経験則だと思います。「これまで、改めて見た

(確認した)認識があるものに対して起こるのは、強迫ではなく、

ただの不安で、その不安も時間とともに消えやすい」ということを

経験した場合のみに使えるものだと思います。

 

{ハードルの高い状況への取り組みはどうすべきか}

「自分ができそうだ」と思えるものにしか取り組まない純粋培養的

な行動療法と、できれば避けたいと思うものにも取り組む荒療治的

な行動療法と、どちらが有用かわかりませんが、現実は後者しかあり

ません。ハードルの高い状況への取り組みも有用だと思いますが、

不安を抑え込まずに取り組めるレベルであることが理想です。

ハードルが高いが故に、ひどい強迫行為をすれば、それはやはり効果

としてマイナスになると思います。なので、選択肢があるなら、

ハードルが高いと感じた場合、ヘルパー利用等も検討し、助けてもらう

ほうが良いように思います。