正常であれば、気になるところを見たら「あ、大丈夫だ」と
安心します。そこにタイムラグはありません。強迫の場合、
気になるところを見ても安心できず、安心できないが故に、
また見ます。それを繰り返すうち、落ち着く場合もあれば、
いつまでも動けない場合があります。
そこで散々苦労しても、あとになって考えると特に不安要素
がないとわかります。つまり安心が得られるまでに時間がかかる
だけの問題です。
確認して安心が得られれば、もう一度確認する必要はありません。
確認して安心は得られないが、無理して次の行動に移るのが
行動療法です。どういう理屈かわかりませんが、とにかくそう
することで改善することはわかっています。
原因は脳の前帯状回の血流不全、もしくは亢進など言われていますが、
直接的にそれを治すことはできません。抗うつ剤や抗不安剤が間接的に
影響することはあるのかもしれません。
行動療法が前帯状回の血流に直接作用することもないと思います。作用
機序はわかりませんが、結果的に行動療法は効果があるとされているので
間接的には作用するのでしょう。
タイムラグに気づくだけでも、やや状況は改善すると思います。目の前の
状況を眺めていて、何も問題がないように見えるのに、どうにも安心でき
ない場合「これは確認してから安心までのタイムラグがあるだけだから、
もう一度確認しなくて良いし、不安なまま動いても大丈夫なのだ」という
理屈が行動療法を後押ししてくれるからです。
本来はその理屈一本でどんどん行動療法を進めたいところですが、
実際は怖くてなかなかできません・・