強迫性障害。行動療法の意義。日々是闘い。

薬物療法は不安を下げる効果しかありません。

なので、薬物療法は行動療法をするための土台

作りに過ぎません。

 

行動療法の意義は、

①誤った条件付けの解除、もしくは正しい条件

付けへの更新

②成功体験

です。

 

①は直接的に病理を改善させる代わりに、無意

識下で起こります。なので、その場で効果を感

じることはありません。不安の対象に対して不

安解消行動(強迫行為)で応じるとき、条件付

けが強化されます。逆に強迫行為で応じないと

き、条件付けが弱化されます。効果を感じると

すれば、次に同じ不安を感じたとき、条件付け

が弱化されているので、不安が軽減されていま

す。「強迫を治す」の著者は、これらのことを、

気合を込めて「条件付けをぶった斬る」と表現

しています。

 

②は意識の上で起こります。なので、不安に対

して強迫行為をせずに我慢できたとき「やった!

」という達成感と次への自信につながります。た

だ、自信という危うい要素なので、行動療法とし

てはサポート的存在であり、やはり①がメインで

す。

 

強迫症にとって強迫行為はガソリンです。行動療

法はその供給を止める行為です。

 

薬物療法は、行動療法の土台作りに過ぎませんが、

やはり必要だと思います。私もSSRI抗うつ剤

を継続して飲んでいますが、効果の実感はありま

せん。ただ、薬をやめるとその効果がわかるので

は?と推測しています。それを実験的にやってみ

るほど、日頃余裕がありません。やはり不安は強

いです。抗うつ剤をやめてもすぐに効果が消える

わけではありません。長ければ数か月効果が持続

します。つまり、結果出るのに数か月はかかるの

で、日々是闘いの強迫患者にとっては手痛い実験

です。

 

”条件付けをぶった斬る”といっても、なかなか斬れ

るものではありません。明らかに気になって確認し

たくてしょうがないものを我慢すると、それは相当

に苦しい闘いになります。なので日頃は、明らかに

気になるものは確認する場合が多いです。ただ具体

的な根拠のない不安、種々雑多な不安、つかみどこ

ろのないそこはかとない不安、そういったものを斬

るようにしています。その調子なので、私はなかな

か治っていません。

 

成功体験による自信は、コンディションによって大

きく変化します。なので当てになりません。抑うつ

状態にあるとき自信は枯渇しがちです。なので成功

体験以前に、抑うつ状態に陥らないようコンディシ

ョンを整えるほうが大事かもしれません。

 

強迫行為は強迫症にとってのガソリンであることを、

しっかりと認識することで、やや歯止めがかかるか

もしれません。知識として持っていてもなかなか現

場では使えません。

 

昨日は、

①銀行ATM

②コンビニ

③ゴミ出し

④郵便物の準備

などしましたが、すべてが不安との闘いです。ひと

つ予定が終わるとホッとする、というより「あれっ

?」と思います。やはり頭ではたいしたことをして

いないとわかっているので、終わってしまうと「私

は何をそんなに闘っていたんだろう?」と、しっく

りこない感じです。