強迫状態に陥りそうになったとき、このところ、
「物理の法則に基づく三次元の世界に生きている」
と再認識します。すると、不安は残るものの、強
迫的な感覚が薄れます。
物理の法則に基づくということは、見えないものは
存在しないし、当たった感触のないものも存在しま
せん。
横断歩道を渡り終わった後、どうしても何か問題が
あったような気がして振り向きます。振り向くとそ
こには何もありません。ただ横断歩道があるだけで
す。にもかかわらず、何か問題があったような気が
して目が離せません。しかし、何も見えないから何
も存在しない、と見切りをつけて前進します。不安
が消失するわけではありません。ただ見切りをつけ
やすいというだけです。
昔読んだ夢枕獏氏の小説で「秘蔵の呪文は大事に置
いておかなければならない、なぜなら一回使うと、
その効力を失うから・・」といったお話がありまし
たが、まさにそんな感じで、しばらく効力のあった
考えも、使ううちに効力を失います。「物理の・・」
も同様でしょう。
呪文も、自分を騙して危機的な精神状態から脱する、
といった側面があると思うので、そうそう何度も使
えない、というものわかるような気がします。
以前は「(気になることに)”もしかして”が付いたら、
それは強迫観念だから無視」という考えで、強迫状態
から脱していた時期もあります。ただ、それもしばら
くすると新鮮味を失い効力も失いました。
最強の呪文はないものだろうか・・