「強迫を治す」の著者は、たとえ話として「10
階建てのビルの屋上から足を踏み出す」というお
話をされています。
自分がビルの屋上だと思っているのは錯覚で、頭
では自分が地上にいることがわかっているのだけ
れども、もし錯覚でなかったら、落ちて転落死す
る・・という不安な状況の中、どのように足を踏
み出すか?という問題です・・
結論的に、SSRI等の内服で不安を下げるしかない
ようです。10階ではなく2階なら、なんとかな
るのではないか。
10階の不安の中「えいっ」と足を踏み出すのは、
勇気というよりヤケクソであろうと著者は考えて
いるようです。そしてヤケクソで足を踏み出せる
人は、そもそも強迫性障害になっていないと。
私は1種類のSSRIを上限量までに飲み、さらにもう
一種の抗うつ剤を飲んでいますが、10階の不安
が2階になった実感はありません。とはいえ、や
はり王道は、
①内服による不安の軽減
②2階程度の不安から挑戦する
ということだと思います。
仕事などをしていると、いちいち不安を選んでい
られませんが、少なくとも現在の私の生活は、か
なり選べます。
このところの「えいっ」が必要なとシチュエーシ
ョンは、毎朝のマンションから出る作業です。2階
くらいの不安だと思います。
本来2階レベルの不安ではありませんが、部屋から
出る時点ですでに鍵やコンセントの確認で頭が強迫
状態にあります。その状態でエレベーターやオート
ロックに臨むので、2階レベルの不安に格上げされて
しまいます。
このところ「何も問題が見出せない、だからどうし
ようもない、えいっ」と前に進み、徐々に時間は短
縮されていると思います。はたして、このままジリ
ジリと克服されていくのか、どこかで頭打ちするの
か、それはわかりません。
これまでそうであったように、計算通りにはいきま
せん。
私は症状が強く自転車に乗れませんが、車はもっと
ダメです。以前、自転車2か月→原付2か月→軽自動
車2か月・・という段階的アプローチで克服しようと、
頑張って自転車に2か月乗ってみましたが、慣れるど
ころか強迫が悪化してしまい、自転車に乗れなくなっ
てしまいました。
結局、苦手に挑戦するだけではダメで、さらに確認
を減らすことを徹底しないとうまくいかないようで
す。
やはり挑戦するなら、挑戦するだけで精一杯のもの
を選ばず、挑戦して尚且つ確認が減らせそうな課題
を選ばなければならないでしょう。
ひとまず私は、マンションから出るのが精一杯では
ないので、確認を減らすのが課題です。