苦肉の策3選は・・
①上書きする。
②おとりを投げる。
③別物で満たす。
3つとも理屈的には同じです。
それらは痛みをかゆみで誤魔化すレベルのものなので、
行動療法的にはしないほうがよいですし、してもそれほど
効果は無いので、やはり苦肉の策でしかありません。
①は・・
どうにも頭から離れない強迫観念がある際に、くみしやすい
強迫症状をわざと起こし、上書きします。帰宅途中であれば、
自宅近くで、わざとルーティーンの確認をせずに自宅に入り
ます。すると帰宅途上ずっと抱えていた強迫観念に上書きされ、
元の強迫観念が薄れます。自宅近くで起こった強迫観念に関し
ては、いざとなったら確認に見に行けばよいので、そこは安心
です。
②は・・
散歩中に振り向きたいのを我慢している時など、足元をチラッと
見たりします。振り向いて確認はしないまでも、やや気になる足元
をチラッと見ることで「気になるところを確認した」という感覚が
わずかに生まれます。その感覚によって、「振り向いてしっかり
見たい」という欲求が薄れます。
③は・・
強迫観念に囚われているとき、別の課題(行動療法)に臨むのは
酷ですが、強迫症状をつかさどる脳の部分がすでに他の強迫観念で
満たされているので、新たな強迫観念は生じにくい状態にあります。
その状態で別の課題に臨めば、いつもは難しかった課題が比較的楽
にクリアできます。ただし、元の強迫観念は頭に残りがちなので、
あくまで、いつも苦手としている課題に臨むとき、使える策では
ないかと思います。